Copilotはなぜ企業のAI活用に向いているのか?Microsoft 365基盤を活かすAI活用

2022年にChatGPTが公開されて以降、生成AIは大きな注目を集めています。
2023年にはMicrosoft Copilotをはじめとする企業向けAIサービスも登場し、個人利用だけでなく企業での活用も広く検討されるようになりました。
特に、ビジネスのシーンでは業務効率化の有力な手段として注目されており、メール作成、議事録要約、資料作成、情報検索など、日々の仕事を支援できる場面は少なくありません。
人手不足や生産性向上が求められる中、多くの企業が生成AIの活用を検討しています。

一方で、多くの企業では「便利そうだからすぐに全社導入する」という判断はできません。
扱う情報が社内文書、顧客情報、契約情報、会議内容に及ぶため、セキュリティや管理性を無視できないからです。

本記事では、Copilotを単なるAIツールではなく、企業が生成AIを業務に取り入れるための選択肢として捉え、検討時に押さえるべきポイントを整理します

目次

このブログは SxS を提供しているソノリテが作成しています。

企業のAI活用は「試す」段階から「使い続ける」段階へ

当初はAIと自然言語で会話することが主な用途でしたが、文字起こしや要約の精度向上、エージェント機能の普及により、AIの利用シーンは拡大しています。

企業での導入については、一部の担当者が個人の判断で試したり活用シーンを検証するといったケースが多く見られました。
たとえば、文章のたたき台を作る、会議メモを要約する、アイデアを出すといった使い方です。

しかし、企業として成果につなげるには、個人の工夫だけに任せるのではなく、全社で安全に使える環境を整える必要もあります。
また、生成AIの個人利用が広がったことで、企業が把握できないAI利用、いわゆるシャドーAIへの対策も重要になり、情報を保護しながら安全に活用できる環境を整備することが求められています。
さらに、AI活用を一時的なブームで終わらせず、継続的な業務改善や生産性向上につなげるためには、業務プロセスへ定着させる視点も欠かせません。

そのためには「誰が使えるのか」「どのデータを参照できるのか」「利用状況を管理できるのか」といった観点で、導入前から設計しておく必要があります。

生成AI導入で企業が不安を感じるポイント

企業が生成AI導入に慎重になる理由は、AIに期待していないからではありません。
むしろ期待が大きいからこそ、リスクを正しく管理したいという考え方が強くなります。

特に不安が大きいのは、社内情報の取り扱いです。
社員が個人の判断で外部のAIサービスを業務に利用する、いわゆる「シャドーAI」の状態では、利用状況を会社として正確に把握することが困難になり、入力内容やプロンプトなどがAIモデルの学習に利用される可能性があるサービスを業務で使用してしまうリスクが高くなります。
一方で、会社として正式に提供するAIであれば、利用できるサービス、扱える情報、管理や監査の範囲を整理したうえで運用できます。
だからこそ企業では「AIを使わせるかどうか」ではなく、「どのAIを、どのルールで安全に使うか」が重要になります。

導入検討時によくある不安を整理すると次のようになります。

よくある不安企業側の論点検討すべき方向性
入力内容が学習に使われないかプロンプトや回答、参照データの利用範囲入力内容や社内データがAIモデルの学習に利用されるか確認する
情報漏えいが心配社内データをどこまでAIに扱わせるか既存の権限管理・データ保護と連動できるか確認する
勝手に社内情報を見ないかAIが参照できる情報の範囲ユーザーごとのアクセス権を前提に設計されているか確認する
回答を信用できるか根拠や参照元を確認できるか回答をそのまま採用せず、確認プロセスを設ける
管理できるか利用状況、保持、監査の考え方管理者が運用できる仕組みを確認する

Copilotが検討される理由は「Microsoft 365基盤を活かせること」

Copilotが企業で検討されやすい理由は、AI単体の機能が便利だから、というだけではありません。
すでに多くの企業で使われているMicrosoft 365の業務基盤を活かし、その延長線上でAI活用を始められる点に大きな特徴があります。

メール、会議、チャット、文書、ファイル共有などの日々の業務がMicrosoft 365上で行われている企業であれば、Copilotは新しい情報基盤を一から作るものではなく、既存の環境に蓄積された情報を活用する選択肢になります。
つまり、企業がこれまで整えてきたMicrosoft 365の基盤を、AIによってさらに活かすための仕組みと捉えることができます。

Microsoftの公式情報では、Microsoft 365 Copilotは、大規模言語モデル、Microsoft Graph上のアクセス権を持つコンテンツ、WordやPowerPointなどの日常的に利用するMicrosoft 365アプリを組み合わせて動作すると説明されています。
既存の権限やアクセス制御を前提に動作するため、単独のAIサービスを別に導入する場合と比べて、管理の考え方を整理しやすい点も重要です。

また、プロンプト、応答、Microsoft Graphを通じてアクセスされたデータは、エンタープライズデータ保護により、Microsoft 365 Copilotの基盤モデルの学習には使用されないとされています。
社内情報をAIに入力した場合の情報漏えいや学習利用を懸念する企業にとって、この点は導入検討時に確認しておきたい大きな安心材料です。

Copilot導入は、Microsoft 365環境を整える取り組みでもあるということ

Copilotの導入は、新しいAIツールを追加するだけの話ではありません。
既存のMicrosoft 365環境を活かし、メール、会議、チャット、文書作成、ファイル共有といった日々の業務にAI支援を組み込む取り組みです。

そのため、導入前には、AIの機能一覧を見るだけでなく、SharePoint、Teams、OneDriveなどに保存されている情報が適切な範囲で共有されているかを確認することが重要です。
過剰に共有された情報や管理が不十分なコンテンツは、Copilotの利用時にもリスクになり得ます

つまり、Copilot導入はAI活用のプロジェクトであると同時に、Microsoft 365環境の棚卸し・整備の機会でもあります。ここを押さえることで、安全性を高めながら、業務で使い続けられるAI活用につなげやすくなります。

Copilot検討を進めるための現実的なステップ

では、実際にCopilotの検討を進める場合、何から着手すればよいのでしょうか。
最初から全社展開を目指すのではなく、目的の整理、情報管理の確認、小さな範囲での検証を順番に進めることで、リスクを抑えながら現実的に導入を進めやすくなります。

STEP
目的を決める

章作成、会議要約、情報検索など、最初に効果を出したい業務領域を決める。

STEP
情報管理を確認する

SharePoint、Teams、OneDriveの共有状態や権限を確認する。
利用者に提供するライセンスと機能、設定を決定する。

STEP
対象者を絞って試す

全社展開の前に、利用部門や業務シナリオを限定して検証する。

STEP
ルールを整える

利用ガイドライン、確認プロセス、禁止事項、問い合わせ先を明確にする。

STEP
効果を広げる

成果が見えた業務から横展開し、活用パターンを増やす。

まとめ

生成AIは、もはや一部の人だけが試す特別なツールではなくなってきました。
メールを書く、会議の内容を整理する、資料のたたき台を作るなど、日々の仕事の中で「ちょっと手伝ってほしい」と感じる場面で使える存在になりつつあります。

ただし、企業で使うとなると、便利さだけでは判断できません
社内情報をどう守るのか、誰がどの情報を見られるのか、利用状況をどう管理するのかといった点をあわせて考える必要があります。
だからこそ、CopilotのようにMicrosoft 365の既存基盤と組み合わせて検討できるAIは、企業にとって現実的な選択肢になり得ます。

ここまでお読みいただいたところで、少しだけ種明かしです。
実はこの記事の下書きにもCopilotを活用しています
もし違和感なく読み進めていただけたなら、Copilotが文章作成の支援役として十分に使えることを、この記事自体が少し実演できているのかもしれません。

信じるか信じないかは、もちろん皆さま次第です。
とはいえ、生成AIは人の考えや判断を置き換えるものではありません。
人が伝えたいことを整理し、読みやすい形に整える相棒として使える点に価値があることを心に留めておきたいですね。

今後も、CopilotやMicrosoft 365を企業で活用する際に押さえておきたいポイントを、引き続き取り上げていきますのでよろしくお願いします!

ソノリテが支援できること

Copilotを安全かつ効果的に活用するには、AI機能だけでなく、Microsoft 365環境全体を踏まえた検討が欠かせません。SharePoint、Teams、OneDriveに保存された情報の共有範囲や権限、運用ルールを確認しながら、どの業務から始めるかを整理することが重要です。

ソノリテでは、Microsoft 365の導入・活用支援で培った知見を活かし、Copilot導入前の情報整理、活用シナリオの検討、ルールづくり、段階的な展開までを支援します。
単にAIを導入するのではなく、企業の業務や情報管理の実態に合わせて、安心して使い続けられる形に整えることを重視しています。

Copilotの活用を検討する中で、SharePointやTeamsの構成、情報の置き場所、共有範囲、権限設計をあらためて見直したいというご相談も少なくありません。
ソノリテでは、Copilot導入だけでなく、Microsoft 365環境全体の整理・改善についてもご相談いただけます。

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